奥歯がなくなると動脈硬化のリスクが増えるって本当?
奥歯がなくなってしまうとかみにくいことだけでなく、健康状態にも影響があります。
そこで今回は奥歯と動脈硬化の関係についてお話させていただきます。
〇動脈硬化とは?
動脈硬化とは、中性脂肪やコレステロールなどがたまって柔軟性を失ってしまい、硬くなってしまう状態で、血液がうまく流れなくなってしまいます。
血液をうまく送り出すことができないと、心臓や脳、筋肉などに必要な酸素や栄養がいきわたらず負担になってしまいます。
血管の中で中性脂肪やコレステロールなどがたまると、血液の通り道が細くなることで動脈がもろく弾力性を失ってしまう状態を動脈硬化といいます。
〇奥歯と動脈硬化の関係
動脈硬化のリスクを上げてしまうには、奥歯をどのように失ったかがポイントになってきます。
奥歯を失った理由が『歯周病』だと歯ぐきが炎症をおこしてしまい、悪化してくると炎症の程度が強くなっていきます。
炎症が強いと血液中に歯周病菌が侵入してしまい、それによって免疫細胞が活性化して動脈硬化の状態になることが考えられます。
また、歯周病菌の中には血栓を作るものもあり、このことも原因として考えられます。
もう1つは、奥歯をすべて失ってしまうと、しっかりかむことができないので動脈硬化になるリスクが、奥歯のある人に比べておよそ2倍になることが分かってきました。
これは奥歯でかめないことで毎日の食事の影響があるためといわれています。
しなやかな血管を作るには、ニンジンやブロッコリーなどの緑黄色野菜で歯ごたえがある食べ物を食べることが良いのですが、奥歯がないと歯ごたえのある食事を避けてしまうことが多いです。
また、魚介類や野菜、果物などバランスよく食べるためには、しっかりとかむことが大切ですが、これらも食べにくいことで避けてしまいがちです。
食生活のバランスが崩れてコレステロールなどがたまってしまうと、動脈硬化になりやすくなってしまうのです。
〇失った歯を早めに治療しましょう
歯を失ってしまうとしっかりかむことができないだけでなく、かみ合わせの歯がないので、歯が伸びてきてしまうことがあります。
また、歯がないところを埋めようと歯が斜めになってしまい、かみ合わせが悪くなることもあります。
失った部分はできるだけ早めに治療をしましょう。
また、しっかりとかむことはあごの骨に刺激を与えて骨が減少するのを防ぎますし、脳に刺激を伝えるので、認知症のリスクも下げることができます。
歯を失った時の治療は選択肢がありますので、お気軽にご相談くださいね。